
■【築70年!古い建物は本当に地震に弱いのか?】その2
前回に引き続き、阪神淡路大震災で、戦前に建築された、
築年数60年以上の鉄筋コンクリートの建物で、全く被害を受け
なかった建物が数多く存在した理由についてお話します。
ポイントは以下の2点です。
1.「建物を設計する場合、床に加わる荷重の
数値を大きめに設定していた」
2.「コンクリートや鉄筋が耐えられる力(許容応力度)を
小さめに設定していた」
少し専門的になりますが、わたしなりにわかり易く解説します。
まず、一番目の(設計用の床加重を大きめに設定した)のポイントが
どういうことなのか説明します。
簡単にいうと、戦前の建物は、現在の建物より大きな加重(重さ)に
耐えられるように設計されていたということです。
例えば、小学校を設計する場合、50人の生徒が教室で生活する
場合でも100人の生徒が生活しても大丈夫なよう、より安全に
設計を行っていました。
次に、二番目の「コンクリートや鉄筋の許容応力度を小さめに
設定した」ということがどういうことなのか説明します。
ひらたく言えば、戦前の建物は地震が起きたとき、コンクリートや
鉄筋に無理をさせないように造られていた。
つまり、柱や梁にあまり過剰な力が加わらないように、「耐震壁」
(タイシンヘキ)と呼ばれる壁をバランスよく多めに配置して、
大きな地震にも耐えられるように粘りのある設計がされていたと
いうことです。
人間でいえば、骨にあまり負担がかからないように、
筋肉を鍛えることで、骨折を防ぐ事に似ています。
前記2つのポイントから総合的に判断して、「地震とマンション」の
著者である西澤英和氏は、戦前の基準で設計した建物は、
今の基準で設計した建物に比べて同じ地震に対して、
≪2倍以上の安全率を持つように設計されていた≫
と述べています。
つづく
次回は【コンクリートのマンションは何年もつか?】についてお話します。