
『地震特集』~コンクリートのマンションは何年もつのか?~
前回は、築60年以上(戦前)の建物で、阪神淡路大震災で全く被害を
受けなかった建物が存在したことをお話しました。
では、戦前はコンクリートや鉄筋が現在とは比べ物にならないほど高価で
あったのに、なぜ、建物は高い安全率で設計されていたのでしょうか?
最大の理由は、当時の人々の「鉄筋コンクリートに対する価値観」にあります。
関東大震災後の昭和初期にはコンクリートの建物は恒久的な資産とし、
100年単位で使用するものであるという考え方がありました。
地震や台風など自然災害が多い日本では、住宅は消耗品と考え
「30年たったら建替える」とかたくなに信じて疑わない人々がいます。
ある日本人が、イギリスから留学にきた友人に「イギリスでは、アパートは
何年もちますか?」と聞きました。しかし、そのイギリスの友人はすぐに答える
ことが出来ず、少し間をおいて、「考えたこともないのでよく分からないが、
200年から300年ぐらい」と答えたそうです。
建物はしっかりと造りメンテナンスをしっかりやれば、「何年もつか?」と
いうよりも 「何年ももってしまう」 社会資本であるということです。
では、昭和初期のように、「コンクリートは100年以上持つ恒久的な資産である」
という考え方が、なぜ失われてしまったのでしょうか?
一番の原因は戦争中の資材不足などの影響があげられます。
「コンクリートや鉄筋の節約」のため、「建物の耐震性は最低限で良い」
という考え方で、戦争中は建物が造られてしまいました。
そして、戦争が終了した後も、戦後の復興を急ぐあまり
この考え方が引き継がれてしまい、現在に至ってしまいました。
つづく