
『地震特集』~木造建築物は本当に地震に弱いのか?~
阪神淡路大震災では多くの木造住宅が崩壊し、多数の犠牲者を出しました。
しかし木造建築が決して地震に対して弱いわけではありません。
これら大きな被害を受けた木造建築物の多くは
昭和初期に建てられた住宅で、日頃のメンテナンスや
手入れを怠ったため、材料が腐ったり、劣化していたため、
大きな被害を受けたことが報告されています。
本来、木材は軽くて強い素材で、地震の時には構造材として有効に働きます。
木材は同じ重さで比べると、鉄やコンクリートより引張力や圧縮力は数倍或い
は数十倍、曲げに対しては数百倍強いのです。
地震が起きたとき、地震の振動は建物の重さに比例します。
すなわち、重い建物ほど大きく揺れます。
木材はコンクリートなどの材料に比べ非常に軽いので、
同じ大きさの建物の場合揺れは少なくなります。
実際、大正時代にに発生した関東大震災では、
木造建築は1%程度しか倒れませんでした。
(関東大震災での死者の多くは、木造建築物の崩壊ではなく
火災により焼死しました。阪神淡路大震災で多くの人々が
木造住宅等の崩壊により圧死したのとは決定的に違います。)
軽くて強い木材の特性を十分に生かして、正しく設計をし、
しっかりと工事をすれば、地震に強い木造住宅を建設することが
出来ます。実際、法隆寺の五重塔など日本を代表する木造建築物は、
千年以上しっかりと存在し続けています。
これらの木造建築から学ぶことは、しっかりとした建物を造り、
継続したメンテナンス・手直しを行えば、その結果として
地震が起きても
「生き残れる建物」
になるということです。木造であろうがコンクリート造であろうが、
耐震性は「建物が造られた時代背景や、当時の建物についての
価値観の違い」により大きく異なります。
決して、木造が危険で、コンクリートのマンションが
安全だと言う事ではありません。
つづく
次回は「マンションは本当に安全なのか?」というテーマでお話します。